台湾について、知っていることはありますか。タピオカジュースやパイナップルケーキなど、近くて暖かい、そのようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。また、千と千尋の神隠しで出てくる湯婆婆のお湯屋のモデルとなったといわれる建物がある九份はとても有名な観光地です。
今回は台湾旅行で経験したことを紹介したいと思います。
ジブリは好きでしたが、台湾にお湯屋のモデルがあるということは全く知りませんでした。首都台北から九份までは少し距離があり、電車とバスを乗り継いでいくことができます。台湾の公用語は中国語ですが、駅には英語の表示もあり、なんとか行くことができるだろう。そう考えていました。プランのない個人旅行なので、「午後から見に行こう」それぐらいの気持ちで、2時に台北駅にいました。電車で1時間、それからバスに乗って、ちょうど夕暮れの時間につくと思って電車を待ちました。丁度良く来た電車に乗り、座席に座りました。しばらくすると後ろから男の人が来て、何やら「ここは私の席だ!」と中国語で言っているようでした。周りを見ると、床に座っている人もいるほど満員の電車でした。もしかして、指定席のある電車に乗ったのかなぁと思っていました。少しすると女性の車掌さんが来ました。「指定席の切符を見せてって言われたらどうしよう。持ってないし特急券の切符もないし」と思っていました。するとその車掌さんは乗っている人を見ているだけで、何も話しかけないのに、私のところだけに来て「どこへ行きたいの?」と英語で聞いてきました。「九份」と答えると、「その近くの駅には止まらないし、この電車はすごく遠くに行くまで止まらない」と教えてくれました。そしてなんとその電車はその後2時間止まらず、すごく遠い駅まで私を連れて行きました。
すごく遠い駅の手前で、女の車掌さんがもう一度やってきて英語で話しました。しかし、うまく英語を聞き取ることができず、何を言っているか、よくわかりませんでした。わからないことを伝えると「私についてきなさい」といって、駅で一緒に降りてくれました。するとなぜか駅には日本語の通訳が待ち構えており、間違った電車に乗って違う県まで来てしまったのだということ、今から九分に行くにはまたすごく時間がかかるけど本当に行きたいのかということの確認、そして九份に行くために違うホームの乗り場まで私を連れて行ってくれました。
私は普段、「人に迷惑をかけないように」とか「相手の気持ちを考えて行動しなさい」とかと生徒によく言っています。
今回私は人に迷惑をかけたのに、すごく親切にしてもらったことをどうしたらいいか考えています。台湾で間違って乗った行きの電車で2時間、帰りの電車で4時間、計6時間の電車の中で「迷惑と親切」について考える旅行となりました。