10/4(金) 朝礼のことば

 10月になりましたが、台風の影響もあり、日中はまだまだ暑い日が続きます。しかし、朝晩の涼しさなど秋の気配もいたるところで感じられるようになりました。今月は中間テストがあります。少し心を落ち着かせて、時間を上手に使いながら、勉強に集中するようにしていきましょう。

 さて、今月の学院の目標は「信頼」です。皆さんは誰を信頼していますか。どんな人なら信頼できますか。少し考えてみてください。楽しいときだけ一緒で、苦しい時には逃げてしまうような人を信頼できますか。ラインやツイッターなどで人の悪口や陰口を言う人が信頼できますか。

 私たちはいつも人への要求ばかりが先にあります。よく「あの人は信頼できない」「先生なんて信用できない」と言います。しかし、そう言う前に、まず自分が信頼される人であるか、信頼される言動をとっているかどうか自分自身に問かけてみてください。

 今日は皆さんに、信頼される人になるために、特に大切な4つのことを伝えたいと思います。

 まず、1つ目は、「自分の間違いを素直に認める」ことです。間違いを正すという行動には、謙虚・誠実・償いの気持ちが込められています。失敗は自分にとってマイナスばかりではなく、その時の行動によっては、逆に不信を信頼に変えることができます。人間生きていればたくさん間違いを犯すものです。だからこそ間違えたことを素直に謝り、認めることも必要です。

 2つめは、「約束をきちんと守る」ことです。たとえ小さな約束であったとしても、やぶられた側からすれば大きな傷が生まれます。自分が信頼されるためには約束を守ることが大切です。

 3つめは、「自分中心に考えない」ことです。自分の損得がギラギラと出てしまうような人は信頼されません。自分のことだけでなく、かかわる相手のことを気遣うことが大切です。

 4つめは、「愚痴や悪口を言わない」ことです。ついつい、こぼしたくなる愚痴、悪口、誰かの批判。でも、度を過ぎると、信頼されなくなるので要注意です。

 さて、私たちはこれらのことができているでしょうか?私たち自身が信頼される人になっているでしょうか?私の場合は、特に人のために時間を使うことができる人、そしてそれを自慢せず陰から支えてくれる人、いわゆる自己犠牲ができる人を信頼します。私は、他の人にそれを求める前に、まず自分がそうでなければならないと強く思い行動しているつもりです。私にそれができていれば人から信頼され、私が口だけ、思いだけで何もできていなければ信頼されません。信頼されるかどうかは自分ではなく、人が判断するもので、それを得られるよう日々努力しなければいけません。

 このように、信頼とは、言葉で簡単に表現するものではなく、お互いが様々な犠牲を乗り越えながらきずいていくものです。もちろん一日でできるものではありません。日々の積み重ねから生まれてくるものです。信じていた人に裏切られたり、また人を裏切ってしまったりすることもあるでしょう。その中で、許すことと許されることを繰り返しながら、ゆっくりコツコツと積み上げていく以外には信頼関係を築くことはできません。まずは客観的に自分を見つめ、自分が発する言葉や態度の中に相手を傷つけるものがないか、振り返ってみましょう。そして相手を尊敬し、誠実に生きていくことを学ぶ10月にしていきましょう。