9/18(金) 朝礼のことば

7月1日からレジ袋が有料になりました。私は、エコバッグを持っていないのにレジ袋を頼み忘れ、商品を手掴みで持って帰るという、ちょっと恥ずかしい思いを何回かしました。

しかし、なぜレジ袋を有料化にするのでしょうか。レジ袋が有害だからでしょうか。ちがいます。レジ袋の原料のポリエチレンは、燃やしても発生するのは二酸化炭素と水だけで、ダイオキシンなどの有害物質は発生しません。また、原料のポリエチレンも石油を精製した後に残るものなので、資源の有効利用にもなっています。ではレジ袋が海洋プラスチックゴミの多くを占めているからでしょうか。ちがいます。海洋プラスチックゴミは、漁業の網やロープが26%、発泡スチロールのブイが15%、飲料用ボトルが13%といったように漁業関係のゴミが約半分を占めていて、レジ袋などは0.3%しかありません。つまり、レジ袋は決して悪者ではないのです。

経済産業省も「海洋プラスチックゴミ問題、地球温暖化などの課題に対し、私たちがプラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要がある。」ということから「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考え、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的とする」と説明しています。つまり、何気なく使っているプラスチックの使用量を減らすことで、環境問題の解決につなげたいということなのです。

海洋プラスチックゴミは2015年の統計では合計で1億5千万トン、そこへ年間少なくとも8百万トンが流入しているそうです。これらのゴミを魚や海鳥などが餌と間違えて食べたり、ウミガメなどの生物がプラスチック製の網に絡まったりして、傷ついたり死んだりしています。

また、プラスチックゴミがほかのゴミと比べて困るのは、自然界で分解されにくいということです。例えば、レジ袋が海の中で分解されるまでには20年、発泡スチロールのカップは50年、ペットボトルはなんと400年もかかるそうです。つまり、プラスチックゴミは分解されずにどんどん海にたまっていくのです。

レジ袋の有料化といえば、どうしてもレジ袋だけに目がいってしまいがちですが、ペットボトルや発泡スチロール、そのほかの色々なプラスチック製品に対して、買い方や使い方、そして何よりも捨て方を考える必要があります。