12/4(金) 朝礼のことば

 今年も早12月となり、師走を迎えました。カトリックの世界では、クリスマスまでの4週間を『待降節』と呼び、「主の降誕(誕生)を待ち望む期間」としてとても大切にしています。この期間に私たちはクリスマスの本当の意味を知り、クリスマスを迎える心の準備をします。心の準備とは、私たち一人ひとりが、自分の生き方や態度を見直し、常に誠実でいられるよう努めることです。家族や身近な人のために、あるいは貧しい生活をしている人のために、何か良いことをする。例えば、笑顔で接する、お手伝いをする、困っている人の手助けをする、節約して募金をするなどです。また良いことをするだけでなく、自分から挨拶をする、友だちの話を聞いて寄り添っていく、嫌なことも快く引き受けてみるなど、自分の苦手なことに挑戦してみることも大切です。世界の平和のため、また学校や家族の平和のために、今自分に何ができるか考えてみてください。皆さんもよく知っているサンタクロース。このモデルとなったのは、4世紀、小アジアで司教をしていた聖ニコラウスです。彼は慈悲深く、多くの貧しい人を助けたと言われています。特に有名な話が、貧しくて3人の娘をお嫁に出すことができない人の家にこっそりと金貨を投げ込んだという話です。サンタクロースが、煙突から入って、靴下にプレゼントを入れたという言い伝えは、ここから生まれました。私たちはせっかく縁あってカトリック学校に通っているのですから、クリスマスには、プレゼントをもらったり、ケーキを食べたりするだけでなく、クリスマスの本当の意味を考え、イエス・キリストや聖ニコラウスのように慈悲深く、人に何かを与えられる人になりたいものです。毎年12月に学校で行っている路上生活者への越冬支援やカトリック献金などは、私たちにできる協力を具体化している取り組みです。待降節に大切なことは、大きく揺れ動く世界の中で、本当のものを見分ける心、気づく心を身につけることです。それは自分中心のエゴから抜け出して、人のために生きようとすることです。今年の待降節はこのようなことに挑戦してみてくだ
さい!
 さて、今月の学院のテーマは『感謝』です。今年はコロナで多くのものを失った1年でしたが、そんな1年でも皆さんにとって何かしら、希望が持てる良いこともあったと思います。失ったものだけに目を向け、不満ばかりを持つのではなく、良かったことに感謝して、1年を締めくくりたいものです。先日、バザーに代わるお菓子販売会を行いました。私は毎年この期間に、この学校がくの人に支えられていることを実感し、感謝します。バザー前後になると、たくさんの支援者の方が学校を訪問されます。毎日毎日ビスケット作りを手伝ってくださるOBの先生、子どもが卒業しても毎年手伝いに来てくださる元保護者、遠くから寄付金や手作りの手芸品を送ってくださる卒業生や関係者の方々。また激励の電話やメール、手紙、LINEもたくさん届きます。バザーができなかった今年も、たくさん手紙が届きました。94歳になられる姉妹校光塩女子学院の元先生。90歳になられる東京光塩の卒業生。80歳を超えた東京在住の卒業生。東京のシスターたち。県内の防府市や周南市在住の卒業生。そして30歳を過ぎたばかりの教え子たち。挙げればきりがないほどの方が、目に見えないところでこの学校を支えています。私たちは、まずこの学院をとおして生まれた『つながり』の深さに気づかなければいけません。そして、次にこのような人たちに対して「いつも支えてくれてありがとう」「気にかけてくれてありがとう」と感謝の気持ちを持つことが大切です。それができなければ中学生として、高校生として、また人として立派に成長しているとは言えません。
私たちは時に、人の悪口を言ったり、人を責めたりすることで、自分の正当性を表現し、存在感をアピールしがちです。しかし、悪口を言ったり、責めたりした後は、必ず心の中に何かモヤモヤしたものが残ります。私は皆さんに、自分と合わない人を責めるのではなく、自分を支え、助けてくれた人に感謝しながら毎日を過ごして欲しいと思っています。友だち・家族・先生方に感謝しながら、2020年を締めくくりましょう。