5/14(金) 朝礼のことば

5月も半分近くが過ぎました。今日の聖歌の歌詞にもあるように「風薫る」さわやかな季節ですが、学生の皆さんにとっては、中間試験のある、これまでの学習の一区切りの時期
でもあります。試験に向けて、勉強は進んでいるでしょうか。
 学生時代は私も試験を受ける立場でしたが、教員になり、試験を作るようになって強く感じたことがあります。それは試験も「コミュニケーション」だということです。試験問題を作るとき、皆さんの顔が浮かびます。社会に出る前に、この漢字は読めてほしい、書けてほしい。この問題は解けるだろうか。この問いにはどんな解答をしてくれるだろうか。「ここは絶対に出す」と言ったから、皆正解してくれると嬉しい......。
 そして、提出された答案を採点しながら、やはり皆さんのことを考えます。よく勉強しているな、と嬉しくなったり、授業での説明が伝わっていなかったのか、と悲しくなったり、反省したり。ケアレスミスには「もったいない!」と悔しくなったり。
 新しい学年になって初めての定期試験なので、受けたことのない教科や先生のテストがあり、不安に思っている人もいるかもしれません。私も、今年度はほとんどが初めて担当するクラスなので、どきどきしています。でも同時に、楽しみでもあります。普段のやりとりや授業での、直接的な会話とは異なりますが、字や答え方など、テストの答案には「その人らしさ」が出ます。試験というのは、皆さんのことを知れる機会でもあるのです。
 勉強が好きな人、得意な人、嫌いな人、苦手な人、それぞれだと思いますが、定期試験は、これまでの学習を見直し、まとめて次につなげる大切なものです。自分なりの方法で、試験の時に答えやすいように、たくさん話をすることができるように、勉強を進めていってください。
 そして、問題用紙、答案用紙が配られたら、難しいと思っても、「いやだ、わからない」とあきらめて何も書かないのではなく、何が大事なのか、聞かれていることは何なのか、耳を澄ませて、勉強の成果を答案用紙にしっかりと表現してください。試験を通しての、皆さんとのコミュニケーションを楽しみにしています。