6/4(金) 朝礼のことば

山口県高校総体に出場していた生徒の皆さん、お疲れ様でした。皆さんの活躍は顧問の先生から報告を受けました。特にインターハイ出場を決めた高3の西内さん、楠本さん、高2の榎さん、おめでとうございます。各競技の代表としてはもちろんですが、日々の生活の中でも、山口県の代表として、また光塩の代表として、周りから注目されているという自覚を持って毎日を過ごすようにしてください。インターハイでの活躍も期待しています。また残念ながら試合では負けてしまった人たちも、最後まで全力を出し切ったこと、その姿から確かな成長がみられたことも先生方から聞いています。多くの運動部の3年生はこれで引退となりますが、3年生のこれまでの姿は、下級生の良いお手本となり、皆さんの思いは、2年生を中心とした後輩たちがしっかりと引き継いでくれるはずです。部活動は、試合に勝つか負けるかだけでなく、3年間の厳しい練習を乗り越えたこと、先輩や後輩、友達との人間関係に悩みながらも、最後まで続けてきたことに大きな意味があります。卒業後、厳しい社会に出た時、この経験は、必ず皆さんの力となります。残りの高校生活、又はこれからの人生の中で是非活かしていってください。本当にお疲れ様でした。
さて、今月の学院のテーマは「ゆるし」です。新学期が始まって2か月が経ち、毎日の生活にも慣れてきたと思います。と同時に緊張感が薄れ、気が緩み、年度当初抱いていた目標、1年生は光塩に入学してきた目的も忘れ、次第にわがままが出始めている頃ではないでしょうか。慣れるということは、親しみも増しますが、同時に自分の思いどおりにならないことへの不満も出てきます。私たちは、このように不満を持ち始めると5月の目標であった「かかわり」が上手にできなくなります。そんな不満を持ち始めた時こそ、今月のテーマである「ゆるし」が大切になってきます。私たちは、日頃からたくさんの間違いや失敗をしてしまいます。その時は、人から赦してもらう方法ばかりを考えますが、逆に他人の間違いや失敗には敏感に反応して人を責め、なかなか相手を赦すことができません。人を責めそうになったり不満が口から出そうになったりした時、まずは自分自身を振り返ってみてください。自分は失敗や間違いをしないのか。人を責める資格があるのか。今週の火曜日の朝礼で生利先生から、今月の聖書の言葉である「7の70倍までも赦しなさい」という言葉の説明がありました。これは、人を無限に赦しなさいという意味でした。人を赦すという行為の背後には、私たちも常に人から赦されているという事実があります。それに気づくことができれば、少しでも相手を赦すことができるようになるのではないでし
ょうか。

ノートルダム清心女子大学の元理事長シスター渡辺和子さんは、「ゆるし」について次のようにも話されています。「人間は弱いものです。口ではきれいなことを言っても、なかなか体がついていかないことがあります。自分の敵を頭ではゆるしても、体がいうことを聞かないということもあります。そんなときは、相手を愛せなくても、せめて相手の不幸を願わないことです。」シスター渡辺が言われるとおり、「ゆるす」ということは非常に難しいことです。ですが、人の不幸を決して願わず、そして少しずつ赦せる人になれるよう努力することが大切なのです。シスター渡辺の人生を知ると、よりこの言葉の重みが理解できるので、是非調べてみてください。改めて自分自身を見つめてみると、どれほど周りの人から赦されていることが多いか気
づかされます。学校や仕事のことであれ、人間関係のことであれ、家族の中においてであれ、生活のどの局面でも赦されていないと私たちの生活は成り立ちません。
今月は、多くの人とかかわる時、相手を責めたり貶したりするのではなく、相手を赦しながら、良いところをみつけられる人になるよう努力していきましょう。