10/1(金) 朝礼のことば

朝晩、めっきり涼しくなり秋の気配が感じられるようになりました。また長かった新型コロナウイルスの緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、そして山口県で発令されていたデルタ株感染拡大防止集中対策期間がやっと終わり、気持ちも少し楽になりました。しかし、宣言が解除されたからと言って、コロナが終息したわけではありません。基本的な感染防止対策は続けながら、これからも安全な学校生活を送っていかなければいけません。秋は、「おいしい旬の食べ物」「美しい景色」「教養を深める面白い本」などいろいろ楽しむものがあります。ちょっとだけ気持ちを楽にして、密を避けながら秋を楽しむ時間を見つけてみましょう。
さて、今月の目標は「信頼」です。私たちは時々「あの人は信頼できない」「あの先生も信頼できない」、「私のことを信頼してくれない」と言ってしまいます。「信頼」は人とのかかわりや繋がりを前提としているので、このような良い人間関係は一日や二日でできるものではなく、毎日の生活の中でお互いが努力し、育て、作り上げていくものです。他者から信頼されるようになるには、日々の積み重ねが大切で、そのためには言葉できちんとコミュニケーションをとることが求められます。自分の考えや思いを正しい言葉で伝えられるよう一人ひとりが意識し努力してください。信頼を得るということは本当に難しいことで、そのためには、常に正直で、時には自分を犠牲にし、人のために尽くさなければいけません。日々のかかわりの中で、失敗や間違いがあれば素直に謝り、また謝ってきた相手を許すことができれば、お互いに良い関係が生まれてきます。逆に言えば、そのように努力して一度築いた信頼関係はちょっとのことで崩れるものではないはずです。しかし、最近の生徒同士のトラブル事案を聞いていると、間違った情報や噂話を信じて、それに振り回わされ、本人同士が直接話しをする前に相手を責めるケースが目立ちます。上手にコミュニケーションがとれていない証拠です。学校は、友達や先生方など生きた人とのかかわりの場です。毎日のかかわりの中で「信頼」という言葉の意味を、そして「生き方」を確認する10月にしてください。
 次に、昨日今年度の光塩バザーの中止をお知らせしました。このバザーは学校が開校して3年目、今から67年前に当時の新校舎である円型校舎を建てることを目的に始まりました。今から67年前といえば、日本が第二次世界大戦で敗れてまだ10年しかたっていない頃です。当時は敗戦直後で国全体が貧しく、新しい校舎を建てるということは難しい時代でした。そんな時、姉妹校のスペインやメキシコの生徒たちが、萩の学校建設のためにおやつを我慢したり、小さなバザーを開いてお金を集めたりして協力してくれました。このことを聞いた当時の萩光塩の保護者や生徒が、自分たちも「学校のために何かしよう」と、この光塩バザーが始まりました。今では、多くの方々の協力を得ながら、地域の一大イベントになっています。伝統の光塩ビスケットを購入するために毎年多くの人が長蛇の列を作ります。それほど地域の方々に愛されてきた光塩バザーを2年続けて中止することは、本当に残念で苦しい決断でしたが、生徒や協力してくださる皆さんの安全確保、そして現在の地域の経済状況などを考えての決断です。バザーは、本学院の建学の精神、奉仕の精神を具現化することができる大切な行事で、教育的にも大きな意味をもっています。今年も生徒の皆さんが、ビスケット作りやマドレーヌ作りをとおして光塩の精神を継承し、来年のバザーに繋いでくれること、また地域への感謝の気持ちを表わすことを目的として『お菓子販売会』を実施します。形は変わっても皆さんにできることはたくさんあります。自分に何ができるかを考え、これから始まるビスケット作りに、まじめに取り組んでください。
最後に、9/24のメルセス会のお祝い日に、世界中の姉妹校同士でお祝いメッセージを交換しようという企画がありました。既にたくさんの姉妹校から動画が届いています。日本語訳を入れたものを皆さんに見せたいと思っていますので、楽しみにしていてください。