2/28(月) 高校卒業式

高校の卒業式を行いました。

コロナ感染対策のため、今年の卒業式は歌が歌えませんでした。それでも、本日無事に3年生を送り出せたことに安堵しました。

卒業生の今後の活躍に期待しています!

 冬の寒さも和らぎ、春の息吹が感じられる季節となりました。本日ここに2021年度萩光塩学院高等学校卒業証書授与式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。保護者の皆様におかれましては、お子様の成長された姿に感慨もひとしおのことと思います。お子様のご卒業をお慶び申し上げますとともに、これまで本学院が賜りましたご支援とご協力に深く感謝いたします。誠にありがとうございました。
 卒業生57名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日、皆さんは高等学校の全課程を修了し、卒業の日を迎えました。これは様々な困難を乗り越え、最後まで全力で頑張り抜いた証です。改めて皆さんの真摯な努力に心から敬意を表します。
 さて、2020年度、21年度の二年間、私たちはコロナ禍という予測不能の事態に直面しました。皆さんが一番楽しみにしていた修学旅行や多くの経験を期待していた国際交流、そして学習の集大成として卒業前に行うコース・文化部発表会は中止せざるを得ませんでした。学習活動をはじめ、その他の学校行事、また部活動でも度重なる変更をし、様々な工夫を取り入れ、この状況下において最適な方法を探りながら、皆さんと共に乗り越えてきました。皆さんは学校生活の中でも、多くのストレスや窮屈さを感じていたことでしょう。それでも目標とする進路実現のため、日々努力を続けていた姿は、私たちの希望でした。しかし、視点を変えれば、この二年間は、これからの予測不能な社会への序章であったとも受け止めることができます。大切なことは、このような状況下で「できなかったこと」に対して不満を抱くのではなく、この経験を私たちにとって価値あるものにするために、どのように未来につなげていくかということです。
 皆さんが進むこれからの社会は、変化の著しいものとなるでしょう。これまでの常識がすぐに変わってしまい、その激しい変革に戸惑うことも多いと思います。現在、IT技術の発展は目覚ましく、AI技術は単純作業だけでなく、長年の熟練の技や知識を必要とする仕事にも応用できるまで発展してきました。そうなると人間をAIが凌駕し、人間の尊厳が脅かされることも増えるでしょう。私は、これからの社会を生き抜く為に必要な能力とは、AIが不可能という答えを出した時にこそ本領を発揮できる力だと考えています。それが人間の果たすべき役割、人間が担うべき仕事において求められる力だと思っています。つまり、世の中がハイテク化すればするほど、人と人との関係が重要になり、相手を受け入れ、相手に受け入れられ、人と上手にかかわっていける人が社会の中で本当に必要な存在となっていきます。このような時代だからこそ、思いやりとか信頼とか愛情とかいうものがますます重要になってくるのです。
 以前も話したことですが、2019年の11月に来日されたローマ教皇フランシスコは、大学で行ったスピーチの中で、若者たちに対して「どんな複雑な状況にあっても自分たちの行動が公正かつ人間的であり、正直で責任を持つことを心がけ、弱者を擁護するような人になってください。言葉と行動が偽りやごまかしであることが少なくない今の時代において、特に必要とされる誠実な人になってください。」と話されました。ローマ教皇が話されたのは、まだ世界中にコロナが蔓延する前のことでしたが、「どんなに複雑な状況」とは、正に、今とこれからのことではないでしょうか。
 萩光塩学院は、ゆるぎない建学の精神と教育の理念をもって教育活動を行っています。宗教の授業や学校行事など全ての学院生活の中で、これからの時代にこそ必要な人と人とのかかわりの大切さ、それを感じ取ることのできる感性の大切さを皆さんに伝えてきました。一年間の月目標である「出会い」「かかわり」「ゆるし」「喜び」「自由」「協力」「信頼」「希望」「感謝」「平和」「愛」そして「使命」。この十二個の目標の中にもその思いがしっかりと込められています。これから大学や社会で多くのことを学び、活躍していく卒業生の皆さんには、これらのことを強く意識し、さらに自分を磨きながら、人と人とのかかわりを大切にする人であり続けて欲しいと願っています。
 卒業生の皆さん、皆さんの未来は皆さん自身がつくります。自分は何をするべきかという主体性と自分はやればできるという自己肯定感、そして自分は人の役に立っているんだという自己有用感をしっかりと持って新たな道を歩み始めてください。皆さんの未来が光輝くものになることを祈り、私からのお祝いの言葉といたします。
二〇二二年二月二十八日    萩光塩学院  校長  中村 柔道

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