2/18(金) 朝礼のことば

 高3の卒業試験も終わり、いよいよ別れの時が近づいてきました。2月は中3・高3の皆さんにとって、中学・高校の総仕上げと次に来る新しい生活のための準備の期間です。残されたわずかな時間を大切に過ごすよう心がけてください。
 さて、今月の学院のテーマは『愛』です。生徒の皆さんは『愛』と聞くと、まずは恋愛のことを思い浮かべるでしょう。しかし、私たちの生活には、恋愛以外にもたくさんの『愛』があふれています。『家族や友だちへの愛』『仕事や生活や環境への愛』そして『自分自身への愛』。愛は、私たちの人生に楽しみを与えてくれて毎日を充実させてくれます。私は、人生を楽しむためにはさまざまな種類の愛が必要で、人生を楽しんでいる人にこそ、愛は近づいてくるものだと思っています。そして、愛を引き寄せるためには時に努力も必要です。
 今日は、そのためにどんな努力が必要なのか、どんな行動を心がけなければいけないのかについて話したいと思います。まず、聖書の中には『愛』とは、友のために命を惜しまず尽くしていくこと、困っている人を見て、言葉や口先だけでなく行いをもって誠実にかかわること、ねたまず・高ぶらず・誇らないこと、利益を求めないこと、愛には偽りがあってはならないことなどが述べられています。
 私たち一人ひとりが『愛』を形にしていくためには、まず1つ目として「相手の言葉に耳を傾けること」が大切です。何も言わず、ただじっと最後まで相手の話を聞くのは意外に難しいものです。特に自分の意見や気持ちが誤解されていると感じる時は、ついつい途中で訂正したくなります。しかし、まずは相手の話を遮らずに耳を傾けましょう。そこから愛は近づいてきます。2つ目は「包み隠さず共有すること」です。ワクワクするもの、便利なもの、素敵なものに出会ったら、それを惜しみなく他の人にも教えてあげましょう。本当に素晴らしいものに出会った時、人に教えてあげるのが惜しく感じることがあるかもしれません。しかし、包み隠さず共有することがさらなる愛を引き寄せるのです。3つ目は「非難せずに話すこと」です。どんなにつらいことがあって傷ついたとしても、相手を攻撃してはいけません。悪口を言うことは、自分から愛を遠ざけてしまうことになります。4つ目は「文句を言わず楽しむこと」です。「愚痴や文句」は言おうと思えばいくらで
も言えてしまうものです。でもずっと文句ばかりを言っていたら、楽しい気持ちでいることはできません。人にも環境にも優しく接し、目の前の出来事を楽しむことが大切です。最後は「他者に惜しみなく与えること」です。何かを人に与える時、つい自分の分を残してからにしたり、あげても特に自分が困らないようなものをあげたりしていませんか?愛を伝え、自分にも愛を引き寄せるには、物にしても気持ちにしても、見返りを求めずに、まず自分から全てを与えることから始めなければいけません。
 私は、愛とは、他人の命を救うような仰々しいことだけではないと思います。今、皆さんに伝えた5つのことを心がけて行動してさえいれば、自分や他者の周りに愛があふれていくのではないでしょうか。卒業していく3年生、これからも自分の周りに優しさと微笑みの絶えない『愛』がいっぱいの環境を作っていってください。