5/13(金) 朝礼のことば

おはようございます。5月は新緑のシーズンで、気候も良く爽やかな季節です。ふと周りに目をやれば、青い海と新緑の山々、そして黄色い夏ミカン、色とりどりの花々などきれいな景色をたくさん観ることができます。気持ちの良いこの季節を体感し、学習や部活動に取り組む活力にしてください。

さて、昨年まで私は、月初めの金曜朝礼で毎月の月目標について話しをしてきました。しかし今年からは、月目標については先生方にお任せして、月に一度自由なテーマで話すことにしました。自由なテーマで話すことは、気楽でよいのですが、何を話すか悩みます。中学校1年生と高校3年生では、持っている知識や理解できる言葉、そしてこの学院で過ごしてきた時間も違うので、どう話すか本当に悩みます。

私の場合、皆さんに話すテーマを決める時は、基本的に次の3つの中から選びます。1つ目は、『こんな人になって欲しい』と思うことを本校の建学の精神を交えながら伝える。2つ目は、毎日の皆さんの様子を見ていて、ぜひ伝えたいと思ったことを自分の体験などを取り入れながら伝える。そして3つ目は、自分が良いなと思った偉人の格言や行いをわかりやすく伝えることです。私を含め、先生方の話しを聞く時には「長いな~」と思うのではなく、「何を言いたいのかな?」と耳を傾けながら集中して聞いてみてください。きっと皆さんが成長するために必要な大切なメッセージが込められているはずです。

さて、新年度が始まって1か月が経ちました。1年生の皆さんは新しい学校生活に慣れましたか。本校の中学校から高校に進学した人も、場所は同じでも高校という新しい生活環境に馴染めていますか。また2年生、3年生に進級した人たちも、新しいクラスや授業に上手に取り組めていますか。まだ新しい友だちができない、勉強についていけない、など学校が楽しくないと感じている人もいるかもしれません。そんな人は「5月病」かもしれません。

5月病というのは、進学や就職、異動や転勤などで、それまでとは違う新しい環境に入った人が、自分が考えていたものと違う状況に対処しきれず、その環境に不安を感じたり、目標を失って虚脱感を感じてしまったりする状態のことをいいます。5月病になりやすい人は、どちらかというと真面目で完璧主義、きちんとやらないと気が済まない人だそうです。だから今、この「5月病」を経験している人も多いのではないでしょうか。逆に今の生活が楽しい、充実している、と感じている人は5月病をうまく乗り越えた人です。ちなみに外国には「5月病」というものはないそうです。そもそも外国は新しい年度のスタートが4月ではなく、アメリカは9月、韓国は3月で、国によって新年度のスタートは様々です。また考え方も国によって違い、南米には、少々悩んでいてもそれを病気と見なさない国もあるそうです。世界に目を向けるといろいろと違いが見えてきます。多様な考え方を知ることも5月病解消の手掛かりになります。

話を戻しますが、5月病のように新しい環境に馴染めなかったり、自分の思っていた状況と違うと感じて落ち込むことは、誰でも経験することです。今悩んでいる人だけが特別というわけではないので、安心してください。この5月病をうまく乗り越えるコツは、物事を如何に楽観的に考えられるか、そして如何に肯定的に受入れることが出来るか、にかかっていると思います。

私の体験を例に話します。私は、元々物事を楽観的に考える方で、一つのことをずっと考え込むタイプではないので、5月病をあまり意識したことはありません。しかし今から10年ほど前にすごく悩んだことがあります。とにかく嫌で、毎日毎日現実から逃げることばかり考え、長い時間悩み続けました。最終的には、自分で結論は出したものの、自分の中で消化しきれず、その後もグチグチと考え込んでいました。今思い返せば、考えれば考えるほど追い詰められていたように思います。そんな時、2人の人にこんな言葉をかけられました。

一つ目は「自分で決めたことなのに、いつまでも悩んでいるなんて先生らしくないですよ」もう一つは「あなたは、変わらなくていいのよ」という言葉です。

当時の私は、頭の中では「受入れよう。理解しよう」と言い聞かせ、心の中は「どうしても嫌だ。受け入れられない」とバラバラでした。しかし、この2つの言葉のおかげで、「もういいや、なんとかなるさ‼」と良い意味で開き直り、本来の楽観的でPositiveな自分らしさを取り戻すことができました。そしてグチグチと過ごしてきた日々を反省し、二度と人前でそんな姿は見せまいと自分に言い聞かせました。

ここで私が皆さんに言いたいことは、もし私がNegative、つまり否定的な考え方しかできなかったら、どうだったでしょうか。例えば「自分には教員としての才能がない」とか、「こんなに悩んで、どうせ自分なんてダメな奴なんだ」と思い込んでしまっていたでしょう。そして私が今ここで頑張っていることはなかっただろうし、皆さんにこうして話しすることもできなかったでしょう。あの時私は、考え、悩み、迷いましたが、この件を機に、引き続き頑張っていこうと決めることが出来ました。それ以降悩むことがあっても(あの時に比べると大したことないな)と考えられるようになりました。

辛いことをプラス思考で前向きに変えていくことで、何だか仕事も生活も楽しくなります。また自分が前向きな気持ちでいると、周りにいる人にも良い影響を与え、その人たちも楽しくなります。本校のモットーである「自分の周りに喜びと光をまく人になる」ために必要なことでもあると思います。

さぁ皆さん、今はいろいろ悩み、迷いながら青春していると思いますが、まずは「5月病」に負けないようPositive思考で楽観的に自分の明るい未来を切り開いていこうとしてみてください。今月は中間試験もあります。嫌で嫌でたまらないテスト勉強も「為になる為になる」「テストが終わったら遊びまくってやる!」と前向きに考えながら、計画的に学習を進めていきましょう。