4/21(金) 朝礼のことば

 皆さんもよく知っているとおり、SDGsのSはサステイナブル、持続可能という意味です。今日は、持続可能でない話をします。
それは石油です。石油からはLPガス、ナフサ、灯油、軽油、残油が生成され、灯油はストーブの燃料、軽油はトラックやバスの燃料、残油は道路のアスファルトなどになります。そしてナフサは蒸留されて車の燃料であるガソリンになりますが、それだけではなく、電気製品や文房具で使われるプラスチック樹脂、シャツやセーターなどの合成繊維、タイヤの合成ゴム、塗料や洗剤など様々なものになります。私たちの生活になくてはならないものばかりです。しかし地球上にある石油の量には限りがあります。私が大学生だった1980年頃には、あと30年で石油がなくなると言われていました。つまり、すでに13年前に石油は採れなくなっている予定でした。でも、新しい油田の発見や海底の油田、シェールガスと言われる岩石などに含まれる石油が採れるようになったことで、最近は後50年石油が使えると言われています。50年と言えば、私はずっと石油が使えますが、皆さんは生きている内に石油がなくなってしまいます。石油は持続可能ではないのです。
 18日から始まった上海モーターショーで展示されたのは、ほとんど電気自動車でした。ヨーロッパでは2035年以降は電気自動車など温室効果ガスを排出しない車以外は新車登録できなります。また、石炭や天然ガス、石油を燃やす火力発電に代わり太陽光発電などの再生可能エネルギーも増えてきました。しかし、電気自動車や太陽光発電、風力発電などはレアメタルという希少な金属を使うこともあって、今度はレアメタルの奪い合いという問題も出てきていますし、太陽光発電のパネルは寿命が20~30年なので2040年頃には大量のパネルが廃棄され、その処分も課題になってきます。
 持続可能というのはなかなか難しそうですが、それらの問題を解決して電気自動車や再生可能エネルギーが増えていけば、石油の消費量も少なくなり石油が長く使えるようになります。また、植物などから燃料やプラスチック樹脂を作る技術も進んでくれば、そのうち石油を使わない持続可能な世界が来るかもしれません。どうなっていくのか楽しみですね。