4/28(金) 朝礼のことば

今日は、来月5月3日に行われる「乙女峠祭り」についてお話します。この乙女峠祭りは、毎年5月3日に島根県津和野町で行われているキリスト教の祭りで、全国から約千人くらいのカトリック信者が参加しています。今年は4年ぶりの開催ということもあり大勢の人たちでにぎあうことが予想されています。「祭り」といっても一般的な夏祭りや秋祭りなどとはまったく違い、いわゆるキリスト教の信仰のために命をおとした人々、すなわち「殉教者」をたたえる祭りです。小さな津和野の町を信者たちが祈りや歌をささげながら乙女峠の上まで行列します。毎回、津和野教会の依頼を受けて、萩光塩学院の4人の生徒がこの祭りの中で、聖母マリア像を担いで行列に参加します。当日は、5月のゴールデンウイークとも重なり、多くの観光客を含め、津和野町の人口が1年で最も多くなるそうです。ところで、皆さんは、日本におけるキリスト教の歴史を知っていますか。キリスト教は、1549年にフランシスコ・ザビエルによって日本に伝えられ、その後西日本を中心に一時広まりを見せましたが、豊臣秀吉以後、禁止され、明治時代のはじめまでキリスト教を信じることは許されませんでした。そんな中、隠れキリシタンと呼ばれた人々がひそかにキリスト教の信仰を守り通していましたが、1865年、長崎の浦上というところで何千人という隠れキリシタンが役人にとらえられ、改宗させるため全国各地へ流されました。そのうちの153人が津和野に連れてこられ、改宗を迫られましたが、神への信仰を貫き通して37人の信者が乙女峠で殉教しました。萩にも約300人が連れてこられ、多くの殉教者が出ています。

また5月は、聖母マリアの月です。カトリック教会ではイエス・キリストの母、すなわち神の母である聖母マリアをたたえ、聖母マリアへの信仰を強めるために特別に祈ります。神と自分とのかかわりについても黙想します。学院の5月のテーマは「かかわり」です。「かかわり」については、また来月、朝礼でお話しします。

 皆さん、時間があれば、ゴールデンウイーク初日、5月3日にぜひ、津和野の乙女峠祭りでお会いしましょう。