10月のテーマは、“信頼”です。
言葉を調べると、信頼とは、“信じて頼りにすること。頼りになると信じること。”
「信頼できる人物」「両親の信頼にこたえる」「医学を信頼する」等・・・と、書かれていました。
先日の「信頼」についてのお話の中に、幼子のような素直な心で・・・・という言葉がありましたね。
赤ちゃんが一番最初に習う課題が、「信頼」だと言われます。空腹で泣けばミルクが与えられ、おむつが汚れれば取り替えてもらえ、落ちないようにしっかりと抱きかかえられ、言葉がなくても相手を信じて、愛されていることを知っていきます。この時に赤ちゃんは、すべて相手を信頼して自分をゆだねますね。 こうして“信頼感”を身につけるようです。
本校舎の保健室側の、下足箱の上に置いてある「日めくり」を みなさんは読んだことがありますか。
そこには、渡辺さんというシスターの言葉が「日めくり」となって置いてあります。
私が紹介するまでもなく、良く知られているシスターだと思いますが、シスター渡辺のお話を“信頼”のテーマとともにお伝えします。
シスター渡辺の著書に「置かれた場所で咲きなさい」というエッセイ集があります。
その中に、「どんな親しい相手でも100%信頼してはいけない。98%にしておきなさい。」という言葉があります。
では、2%は何なのでしょうか。それは「不信」ではなく「ゆるし」なのだそうです。
相手を完璧に信頼するからこそ、相手に間違いがあった時に、腹がたったり、裏切られた時、相手がゆるせなくなる。だからこそ相手を許せる2%の余地を最初からもっておきなさいとおっしゃるのですね。大切なゆるしの2%です。間違っても、相手を信じない2%ではありません。
信頼するということは大切な事です。
でも、悲しいことに完全な信頼はないのかもしれません。
大きくなって厳しい現実に直面したとき、人間の弱さに否が応でも触れたときや、自分も弱さを持ち、間違うこともあります。そこに2%でもゆるしのスペースがあれば、絶望することが無く、心が優しくなれるような気がします。
信頼がくずれたときは、相手も人間、何か事情があって仕方がなかったのだろう、どうにもならなかったのだろうと、2%の余白で相手を許しましょう。誰でも間違うこともあるのだから、許すことの大切さを学ぶことでもあります。シスターの言われる98%に信頼をとどめる努力と2%のゆるしの心で。
そんなことを言いながら、私は2%のスペースを作ることができているのか、なかなかできていません。残念なことに、100%信頼して、それが崩れた時、砕けてしまいます。
幼いころのように 「ごめんなさい」 「いいよ」 では片づけられない自分もいます。
でも、いつかシスター渡辺の言われる、2%の中に、心から相手の幸せを想い、優しく見つめられる自分になれるよう努力し、「信頼」する気持ちを大切にしたいです。
そして、信頼が間違った方に曲がったとき、ゆるす心が自分にやってきますように、祈ります。
よかったら、「日めくり」の言葉を そっと読んでみてください。
ふむふむ・・・と、自分にエールをおくってもらえるかもしれません。