新年度が始まって2ヶ月が経ちました。新年度になり、新しい友達や環境に出会い、いろんな体験を通してお互いを知り、かかわりを深めてきたことでしょう。今まで知らなかった友達の新しい一面に気づいた人もいるかもしれません。
今月のテーマは「ゆるし」です。4月のテーマ「出会い」からはじまり、5月の「かかわり」を通して、6月の「ゆるし」につながっています。これまでの先生方の話を聞いてみなさんが書いた感想をもう一度振り返ってみてください。
さて、みなさんは、これまでは普通に友だちとして付き合ってきたのに、何気ない言葉や行動によってその人のことが嫌いになってしまったという経験はありませんか。人は、いいことよりも
嫌なこと、悲しいことの方が印象に残りやすくなっているそうです。ある心理学者は、「人間関係を成功させるためには相手との良い交流が、悪い交流を上回ってなくてはならない。その比率は良い交流5回に対し、悪い交流1回」と言っています。つまり、これまで相手からいいことやうれしいことを5回されていても、たった1回、嫌なことをされてしまうと、その人のことが嫌いだとか、もう関わりたくないと感じてしまい、これまでの関係が壊れてしまうこともあるということです。おそらく多くの人がそのような経験があるのではないでしょうか。
嫌な思いをさせられたとき、その人のことがゆるせないと思うこともあるでしょう。それはそれで仕方のないことだと思います。ただ、そこで、もう関わらないと全否定するのではなく、その人の良いところを思い出してみてください。これまでかかわってきた中でその人に助けられたこと、楽しかったこともあるはずです。逆に、相手に嫌な思いをさせてしまった人は、その人のために5回と言わず、何度でもその人にとって良いと思うことをしてみましょう。人は誰でも良いところもあれば、ダメなところもあります。あなた自身もそうです。それを受け入れることができれば、相手をゆるすこともでき、いい関係が築けるようになると思いませんか。
6月は文化祭があります。クラスや部活動などでみんなと協力して活動することも多くなります。その準備の中で意見がぶつかることもあるかもしれません。しかし行事を成功させたい思いはみんな同じはずです。互いの意見を認め合い、尊重することを忘れず、最後にはみんなで成し遂げたという「喜び」を感じられる月にしましょう。