4/30(水) 朝礼のことば

 今年度から、朝のお話の後に感想を書くことになりました。皆さんは、文章を書くことは好きですか? 私は読むことは好きですが、書くことにはどちらかというと苦手意識があり、書き出すまでに時間がかかってしまいます。それでも、これまでの経験から思うのは、文章を書くことは「慣れ」の部分が大きいということです。とりあえず、書き出してみること。そして、何度も書いてみること。そうすることで、少しずつ、自分なりの書き方が身についていくのではないかと思います。継続していけば長い距離が走れるように、より長い文章や、自分の気持ちにそった文章が書けるようになっていくはずです。

 そして、文章を書くときに必要となるもの、助けとなってくれるものが、自分の中にある言葉です。言葉は、自分を世界に開いて出会っていくことからしか、身につけることができません。人と話をすること、本を読むこと、自分以外の他者と接することで、私たちは言葉を手に入れていきます。ある本の中で、「言葉をひとつ覚えるたびに、あなたの世界には新しい灯りがともる。」という一節に出会いました。また、イギリスの作家、ヴァージニア・ウルフは本を読むことについて、こんな風に言っているそうです。「それはまるで、暗い部屋に入って、ランプを掲げるようなことだ。光はすでにそこにあったものを照らす。」

 萩光塩のモットーである「自分のまわりによろこびと光をまく人」、その光を灯す一つの方法として、本を読むこと、言葉を知り、使っていくことがあるのだと思います。身近な人の優しい言葉に、本の中の力強い言葉に、勇気をもらった経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。言葉は、時に他者や自分を照らす光となります。言葉は世界を切り取り、説明するものです。自分がしたいことを表現するのにも、他人の考えを理解していこうとするのにも言葉が必要です。私たち人間は、言葉を使って自分の周り、さらには自分自身とコミュニケーションをとっていきます。たくさんの言葉を知れば、たくさんのことを考えられるようになり、いろいろな言葉を知れば、いろいろな視点を持つことができるようになります。それは、人生をより豊かに、そして、生きやすくしてくれるはずです。

 今日、4月30日は、図書館法が公布されたことを記念して制定された図書館記念日です。大切な人に本を贈る4月23日のサン・ジョルディの日、子ども読書の日と合わせて、5月12日までが「こどもの読書週間」となっています。この機会に、たくさんの言葉や世界を見せてくれる本を、ぜひ手にしてみてください。将来自分や周りの人を照らすための燃料を蓄えていってほしいと思います。また、蓄えるだけではなく、文章を書いたり、人と話をしたりして、言葉を使っていってください。「行く言葉が美しければ、来る言葉も美しい」。韓国のことわざにもあるように、自分の使う言葉は自分にかえってきます。皆さんそれぞれの言葉を磨いていってほしいと思います。

関連記事一覧

PAGE TOP