今日6月18日は何の日かご存じですか。なんと今日は「おにぎりの日」なんです。だから、今日は私がお話しする日なのかと思いました。という冗談はさておき、なぜ「おにぎりの日」に制定されたかというと、石川県の旧鹿西町(現中能登町)で、弥生時代のおにぎりの化石が発見され、日本最古のおにぎりとして認定され、発見場所の鹿西町の「6」と、毎月18日が「米食の日」とされていることから、今日が「おにぎりの日」となったそうです。また、これとは別に、おむすびの日という記念日があり、こちらは1月17日だそうです。これは阪神淡路大震災の時に炊き出しで、たくさんのおむすびが被災者の方に振る舞われ、その災害の重さを忘れないようにと制定されたものです。
さて、日本に住む私たちにとって、このお米は、切っても切り離せない大切な主食ではないでしょうか。現在ニュースで、米の値段高騰の話や、備蓄米放出の話を聞かない日はないと思います。近年は米離れが進んでいるというニュースや、糖質ダイエットの一環で米を食べない人が増えているという話も聞きますが、これはごく一部の話題にすぎません。農水省の調査では、令和6年の米の生産量は734万トンと発表されています。また、この度放出された備蓄米は先週までの調べで約60万トンといわれています。さらに、令和3年の農水省調べによる、一人当たりの米消費量は年間で51.5キログラム。つまり、総人口で考えると約570万トンの米が消費されていることになります。このように、膨大な量のお米が日本では流通しており、私たちの生活に欠かせないものであることがわかると思います。
皆さんは、どのようにしてこの米が生産されているかご存じですか。農家の人たちが汗水たらして一生懸命育ててくださっていることは何となく理解できるでしょうが、その細かな工程を知らない人も多いと思います。米という漢字を思い浮かべてみてください。米を分解すると八十八という漢字に分けられます。これは米作りが八十八工程の作業からできているためといわれています。実際にはそれよりも多いかもしれませんが、3月の種まきから9月の刈入・出荷まで、ひと時も休みのないと言われている農家の方への感謝を、決して忘れてはいけません。これだけの苦労をしても、米の値段が上がらなければ、近年高騰する物価に農家の収入が追い付かなくなってしまうことは、理解できると思います。消費者である私たちにとって米の値段の上昇は辛いことですが、せっかく話題になっているので、この機会に生産者の思いについても考えてみるとよいかもしれません。大型機械の導入や、品種改良の技術の向上、肥料の開発などにより、昔よりはるかに生産工程が軽減されましたが、それでもなお、農家の八十八工程は形を変えつつも、残っています。コンビニやお弁当で手軽に食べられるおにぎりですが、奥が深いと思いませんか。3000年前に日本に伝来して以来、私たちの生活を支えてきた米、そしておにぎりについて、ぜひ関心を持ってみてください。